Youtube 1080p対応とわたくし

ということで、いろいろ見ていましたが、前から静止画イラストを見て気になっていた「秒速5センチメートル」の動画*1があり、興味を持ったので本編も見てみました。
結論として、やはり原案や主題歌と背景等のイメージのマッチングはバッチリでしたが、特に第一話を中心に脚本の練られ方というか細部で気になる点(疑問)がちょっと多かった、というのが感想。以下ネタバレ含みます。

  • 得てして刹那的である幼い小学生が「来年の桜も」と来年の話をするのはそもそも不自然
  • 普通、特別な理由が無ければ小学生だけでマックには行かない
  • 小学校時代の関係から考えると、最初の手紙が半年後なのは遅い(電話もない?)。再会するのが1年後なのも遅い
  • 栃木に行くのに週末ではなく学校帰りに行く理由がわからない。19時の待ち合わせだと帰りが中学生の常識的な帰宅時間に間に合わないし、週末のほうが現地滞在時間が長くとれるはず。考えられる可能性として、明里は親に貴樹のことを話していなくて(貴樹の親は栃木への引越しのシーンで明里のことを知っていることが窺える)、親に内緒で合う、ということ? 引越しのスケジュールの関係だとしたらそう語るべき(じゃないと疑問が沸く)
  • 「西中はどうするの?」「栃木の『公立校』に手続き」「一緒に中学」というあたりから、二人で都内の同じ私立中学へ行くということ? そんな重要なプロットがそれ以上語られていない
  • 中学1年生が外泊すれば、双方の家族で大騒ぎになるはずで、そのあたりに言及しないのは不自然。「一人で新宿に来たのは初めて」よりも「外泊が初めて」のほうが事象としては大きいはず
  • 例え栃木といえども、駅間で2時間電車が止まればニュースになるレベル。中学生が閉じ込められれば外泊しなくても親は大騒ぎするはず
  • 第一話・第三話ともに東京・大宮-小山間で新幹線を使わない。特急料金は\2000内外で中学生が払えない金額ではないし、時間短縮、在来線より雪に強い、等のメリットがあるはず。尤も、在来線のほうが絵的にいいのは確かだが
  • 鹿児島に行ってから二人は会った、という描写がないが、これも小学校時代の関係から考えて不自然。夏休みなどに東京(栃木)へ行くことはできるはず
  • (オマケ1)小田急線に20両編成はない(踏み切りのシーン)
  • (オマケ2)二人とも家のポストは自立型というのはレアケース(ワザと、かもしれないが)

やはり、見るべきは緻密に描かれた背景画で、それを中心に使用した山崎まさよしのPVが一番秀逸、ということか。テツの人には細部の描写はたまらないものがあるかも。
キャラクターデザインは好み次第。第二話・第三話の脚本はあまり気にならなかった。エンディングにも不自然さは感じられないが、直後貴樹が死んでしまう(自殺)ような予感を残すとアレっぽくていいかも。幸せそうな明里との対比として。
原作者・脚本家*2は自らの当時の記憶はあるものの、直接的には小中学生に接していない人なのかも知れない。基本的なアイデアはいいのに。

*1:正確には主題歌 One more time, One more chanceのPV

*2:同じ人ですが