USB DACとわたくし

osamus2011-01-03


Make:で見て欲しくなったシリーズ」第二弾として、今年は真空管アンプが無性に欲しくなりました。真空管アンプといっても、本格的なものは十何万円もするのですが、Make:で見たのは、「YAHA(Yet Another Hybrid Amp)型」と言って、通常高電圧の必要な真空管を12Vで駆動し、出力にオペアンプを使うという、文字通りアナログとデジタルのハイブリッドの簡易型アンプです。
Make:の会場でもキットが売られていたのですが、その時買い損ねたので、改めてアキバの(有)春日無線変圧器キットを買ってきました。その際、部品もアキバで買いそろえましたが、オーディオ用の部品は思った以上に生産中止の部品が多く、買いそろえるのが大変でビックリ。*1なんとか部品を買い集めたものの、特に抵抗は各種入り乱れる結果となりましたが、コンデンサはデジタル用のパスコンを除き、積層セラミックを追放することに成功。
入力はただのヘッドフォンアンプでは何なので、USBから入力できるようにと思い、USB DAC(D/Aコンバーター、要はUSBサウンドユニット)のキットを探しました。USB DACのメインとなるICはSOPという、機械実装用の細かい足のものがほとんどで*2、自力でハンダ付けするのが面倒だったので、結局ちょっと古めですがVICSのキット*3を通販で発注。

パーツは一応オーディオ用の高級品を中心に使用し、DACは定番のクロック生成部の高精度化*4と「なんちゃって外部電源化*5」をしてあります。
最近の真空管アンプは放熱と見せることを目的にケースの外に真空管を配置するのがほとんどですが、どうせトランスのないYAHAアンプならなら、とコチラのサイトを参考に、いくつかの部品をケース上に配置してみました。*6これにより真空管にくわえ、コンデンサ(DAC側とアンプ側各2個)とオペアンプも交換が可能になっています。最初、このサイトを参考に丸ピンアダプタで作っていたのですが、オーディオ用のコンデンサは足が太くて刺さらないものが多く、DIP用の角穴ソケットに変更しました。後ろのコンデンサはハッタリのためにデザインで選んだパスコン用のELNA 50V 2200μで、これはハンダ付けしてあります。

後ろ側はACアダプタのインレットとUSB Bコネクタだけのシンプル構成。


途中水晶発振器の向きが90度間違っていたり、ヒートシンクでレギュレータがショートしたり、と紆余曲折もありましたが、何とか完成、電源オン。無事真空管がオレンジに光り出し、PCに「USBオーディオバイス」として認識されました。ムチャな配線の割に大きなノイズものらず鳴っています。やっぱりゲーム用のサウンドカードとは音が違い、音の解像度が上がり、低音も出るようになりました。こうなってくると、ヘッドセットじゃなくて音楽用のいいヘッドフォンが欲しくなります。
もちろんこの程度の機能のものは買えば数万円で買えるのですが、何よりハンダ付けがしたかったので十分満足できるものになりました。*7
あとはポップノイズ解消用の回路の組み込みをしようと思っています。

*1:思った以上にパーツの店がどんどん減ってしてアニオタ屋に浸食されてるのもビックリ。

*2:手でハンダ付けできるのはDIPタイプと言う

*3:電源がUSBバスパワーだったのもこのキットにした理由。

*4:水晶発信子を水晶発振器に置き換え

*5:バスパワーモードのままUSBからの5Vを使わず真空管用の12Vからレギュレータで作った5Vで駆動

*6:このせいでアルミとは言え、ケースの穴あけで死にそうになりました。

*7:真空管用の大口径のリーマとか工具代で一万近く使ったのは秘密。